無税は「住民税」でバレる!副業禁止のサラリーマンが絶対にやってはいけない節税方法


あおい「?」「『無税入門』という本を見かけたけど、税金を支払わないなんて、そんなことできるの?」



一昔前、『無税入門』という本が出版されて、30年以上、所得税も住民税も支払っていないと豪語する人が話題となりました。

「赤字の事業所得」で節税になる?

この方法は昔からひっそりと8行われていた方法ですが、本にして大々的に取り上げてしまったばかりに、マネする人が増えてしまいました。

簡単に言えば、何か適当な副業を作り、できる限りの経費を計上して「赤字の事業所得」を作り出すことで、本業である「給与所得(給料・賞与)」と相殺することで、税金を支払わないようにするというものです。

しかし実際には、「事業」とはいえない程度のものを税金を減らすためだけに事業と見せかけるため、今でもときどき「節税方法」として見かけることがあるこの方法ですが、税務署からすればただの「脱税行為」です。

脱税指南で逮捕者も

今からちょうど3年前の平成25年2月15日、顧客のサラリーマンに架空の副業で赤字が出たとする確定申告を行うように指南した疑いがもたれ、とあるコンサルティング会社の社長が逮捕されました。

顧客49人に架空の副業で赤字が出たと偽り確定申告をさせ、所得税計約2,531万円を脱税させたというもので、ニュースになりました。

税理士でもないのに確定申告書の作成を代行してしまったのが1番の問題ではありましたが、その後、東京地方裁判所で懲役1年8月、執行猶予4年、罰金600万円(求刑懲役2年、罰金1千万円)の有罪判決となりました。

50人近くもの人がこの方法に頼ろうとしたことも驚くべきことですが、逮捕された2月15日と言えば、確定申告が始まる2月16日の1日前です。

このタイミングの良さは、ある種の見せしめだといわれています。

49人の方たちは、おそらく脱税分を納税し、ペナルティの税金も納めたかと思いますが、そもそも手数料をコンサルタント会社に払っているわけですから、踏んだり蹴ったりですね。

本当に「事業」をやっていれば節税は可能だが・・・

ちなみに、先程の件は、「架空の副業」という点が問題となっておりましたので、本当に事業をやっている場合に、事業所得の赤字と給与所得を相殺(損益通算)すること自体がダメというわけではありません。

ただ、そもそもサラリーマンという本業がある一方で、「事業を行っているのか?」という点は、税務署から見れば非常に疑わしいところです。

「どこから事業になるのか?」という線引きもありませんので、ハッキリ言って、グレーゾーンです。

開業届を出せば事業所得?

例えば、税務署に「個人事業の開業届出書」を提出すれば事業所得だという方もいます。

しかし、実際の税務調査では、開業届を提出することと事業所得であるかどうかは別問題のようです。

あくまで事業所得であるかどうかは、実態から総合的に判断されるものであり、形式的に開業届を出すことをもって、すべてが事業所得となるわけではありません。

税務署から継続して儲かっているのに雑所得で申告しているので、事業所得にしてもらったというケースは全く聞きませんが、その逆に、事業所得とは疑わしいものを雑所得にしたというケースはよくあります。

赤字続きなのに事業所得?

また、事業所得に該当するかどうかに関する過去の裁判例からすると、「営利性(利益を得ることを目的としているか)」であるか、という点も注目されるところです。

事業所得について、最高裁判決では、「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」(最高裁判決昭和56年4月24日)としています。

完全に節税目的で赤字を垂れ流し続けるものに「営利性」はあるのでしょうか?

『無税入門』の著者は、イラストレーターだったみたいですが、30年以上赤字なのに、それが「事業」だと言えるのかは疑わしいところです。

本当に「赤字」なの?

また、仮に事業所得だったとしても、

  1. 赤字にするため、売上の金額をごまかしていないか?
  2. 架空の領収証で経費をごまかしていないか?
  3. 仕事に関係のない支払いまで経費にしていないか?

といった観点で税務調査では厳しく見られることでしょう。

特に3番目の「仕事に関係のない支払いまで経費にしていないか?」という点は、ツッコミどころが多いところです。

そういえば、家族の食事代(お子様ランチも含めて)を計上していたなんて笑えない話もあります。

副業禁止のサラリーマンは、「住民税」で人生が狂う

まあ、本当に副業をしていて、最初の数年は本気でやっても赤字、ということは普通にあるかと思います。

そうすると、来年は黒字になるはずだから、赤字の今年は赤字で申告しよう、と考えるかもしれませんね。

さて、サラリーマンの中には、「副業禁止」の会社にお勤めの方もいらっしゃるかと思います。特に上場企業の場合は、その傾向が強いですね。公務員も副業禁止です。

実は、この方法を使うと勤め先に副業をしていることがバレます

黒字の場合と比べて説明します。

事業所得が「黒字」の場合

この場合も完全にバレないということはありえないのですが、事業所得に対する住民税を自分で納付する普通徴収という方法を選択できれば、勤め先にバレないことも可能です。

(確定申告書の第2表で普通徴収の欄に「○」をつけるだけでは60点です。他の記事で解説します)
事業所得が黒字の場合
普通徴収の場合、本人に住民税を支払うように直接連絡が来て、勤め先には何の連絡も行きません。勤め先の給与計算の担当者には、「給与に対する住民税」に関する情報が届きます。

大体6月・7月の給与から反映されていきますが、住民税が前の年とそれほど大きな金額の違いがなければ、特に気に留めることもないでしょう。

事業所得が「赤字」の場合

しかし、事業所得が赤字の場合には、所得税が節税になるだけではなく、住民税も節税になります。

じゃあ、税金を還付してもらえるかと言えば、住民税は「確定申告の『後』に納税する税金」ですので、これから払う分を減らすしかありません。

そうすると、給料に対する住民税が減ってしまうのです。
事業所得が赤字の場合
さすがに5月まで毎月2万円くらい支払っていたのが、6月からは0円ともなれば、給与を入力している人もおかしいと気づくことでしょう。

場合によっては、どうして0円になるのか説明を求められるかもしれません(もちろん、担当者によっては気づかない人もいますが、それは単なるラッキーです)。

確定申告書の第2表で「普通徴収」の欄に「○」をつけて意味があるのは、事業所得が黒字の場合だけです。

赤字の場合も同じだと思っている方がいますが、「○」をどこにつけようが、何の意味もありません。

まあ、気づかれたところで、赤字の副業をやって何が悪い、と開き直るかもしれませんが(黒字の副業で儲けている方が問題だと・・・)、勤め先によっては赤字だろうが黒字だろうが副業禁止というところもありますので、ご注意いただきたいところです。

ちなみに、こんなご時世ですので、「副業を禁止していない企業」もあるかと思います。

その場合であっても、副業を赤字にして変な節税を考えるよりは、せっかく副業禁止でないわけですから、1円でも多く、その副業を黒字にして家計の足しになるよう努力の方向性を変えてはいかがでしょうか、と思うところです。

・・・まあ、この『無税入門』という本は、税金の仕組みがおかしいというメッセージ(アンチテーゼ)なのかもしれませんし、ちょうど定年間近の方だったので、この方法で印税を稼いで荒稼ぎしたかったとかのかもしれませんが、実践する場合には、見えないリスクがたくさんありますので、個人的には全くおススメいたしません

あおいのつぶやき


あおい「!」「な、なるほど、安易な節税は怖いね。それに、税理士でもない自称コンサルタントに確定申告を依頼するのがいけないなんて、知らなかった


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