『フリーランス&個人事業主のための確定申告』★★★★☆

この記事は、市販の確定申告本や青色申告本をご紹介しながら、フリーランスや副業の方に役立つ本を独自の観点で採点するコーナーです。

今回は、『フリーランス&個人事業主のための確定申告』改訂第10版のブックレビューです。

by カエレバ

総合得点

25点満点中「20点」です(星4つ)。

『フリーランス&個人事業主のための確定申告』改訂第10版

5つの観点

  1. 確定申告初心者向けか?
  2. 最新の情報か?
  3. 必要な情報が網羅されているか?
  4. 具体的な確定申告の方法が書かれているか?
  5. 節税対策は書かれているか?

確定申告初心者向けか?:3点

3点の理由は、初心者には「情報が多すぎる」からです。

目次は、次のように、ゼロから10まで必要な情報を順番に説明しています。

  • STEP1 確定申告の基本
  • STEP2 青色申告に必要な準備をしよう
  • STEP3 帳簿付けの基本
  • STEP4 必要経費の計算
  • STEP5 「所得から控除できる金額」を把握する
  • STEP6 所得税額を確定する
  • STEP7 青色申告決算書/白色の収支内訳書の作成
  • STEP8 確定申告書Bを作成しよう
  • STEP9 申告後の手続き
  • STEP10 個人事業主から法人に
  • 付録 確定申告用勘定科目

手順がそのまま目次になっている点は良いのですが、全体で239ページあり、必要な情報をぎっしりつめこんでいるので、かなり情報が多いです。

ただ、「情報は多ければ多いほど良い」かといえば、必ずしもそうとは限りません。

いきなり中華料理のフルコースが大盛りで次々にテーブルに並んだら、どんなに整理されていたとしても、最後まで食べ切れません。

見た瞬間に「うわあ~」ってなってしまう可能性があります。

たぶん、「確定申告ってこんなに勉強しないといけないの?!」と思って、途方にくれます。

一方、本を読むのにそれほど抵抗がない方は、「1冊ですまたい」ということであれば、それはそれでアリかもしれません。

最新の情報か?:5点

税金の法律は毎年変更されるので、本も毎年、内容の見直しがされる必要があります。

今回で10回目の改訂で、平成27年の確定申告に対応しています。

といっても、今回は大きな改正もなかったので、この点は、改訂されていればどの本も5点満点中5点がつきます。

必要な情報が網羅されているか?:5点

この本の魅力は、良くも悪くも「情報が多すぎる」点です。

確定申告に関することが網羅(もうら)的に書かれています。

そのため、確定申告を1回以上やったことがある経験者の方向けだと思っています。

経験がある分、自分が知っている内容も多いと思いますので、自分が必要だと思ったところだけ、読むと使い勝手が良いかと思います。

必要経費の勘定科目と控除の早見表

特に最後の214ページから238ページの25ページにわたって、「必要経費の勘定科目と控除の早見表」というのがあります。

例えば、

  • SDカードの購入費:消耗品費(事務用品費)
  • ガス料金(事務所や店舗でのみ使用):水道光熱費
  • ゴミ袋の購入費:雑費
  • Suicaの購入費:旅費交通費

など、かなり具体的なものも含めて大量に勘定科目の例が載っています。

まあ、業種によって特殊なものも入っているので、実際に活用できるものはそんなにないと思いますが、こういう本でここまで勘定科目のリストをちゃんと作っているものは他にありません。

ググっても出てきますが、整理された情報ではないので、これはこれで価値があると思います。

具体的な確定申告の方法が書かれているか?:3点

確定申告書や決算書の記載例が書いてあります。

ただ、多くの本ではそもそも大きさがこの本のように「A5」サイズではなく、「B5」サイズの大きなものにして、記載例をもっと具体的に書いています。

また、青色申告については「パソコン+会計ソフトを使えば簡単である」とありますが、会計ソフトについては本の中では「初期設定に注意」ということくらいしか取り上げられていません(1ページくらい?)。

せめてfreeeやMFクラウド確定申告、やよいの青色申告など、最近のソフトのメリットデメリットを比較して、どのようなものを使えばいいかというところを強化してほしいところです。

過去のamazonのレビューを見ても、もうちょっと具体的にしてほしかったという意見があります。

確かに「知識」に関するところはそろっているのに、「実践」するときにつまづくところに対してやや物足らなさを感じるからだと思います。

節税対策は書かれているか?:3点

必要経費や控除に関する基本的なことはおさえていますが、他の本にあるような「おやっ」と思う節税対策は書かれていないので、3点です。

小規模企業共済は前納もあわせて最高168万円の控除が受けられる点が書いてあったくらいでしょうか。

節税目当ての方にはやや物足らないように思います。

まとめ

平均値は15点、できれば18点以上欲しいところですので、20点は良い方だと思います。
『フリーランス&個人事業主のための確定申告』改訂第10版

おススメできる人

  • 自己流の経験者で自分の申告が正しいかよくわからない人
  • 本を読むのは苦にならないので1冊ですませたい人
  • 1冊目で物足らなくて2冊目の本を探している人
by カエレバ

おススメできない人

  • 初心者で確定申告とか難しい話が苦手な人
  • 経験者で節税対策を探している人

注意点

本を読んでいて、内容に疑問があるものについても書くことにします。

132ページ

支払調書はフリーランサーにとっての源泉徴収票です。税務署に支払った源泉徴収税を証明するために必ず提出します。

支払調書は、「支払元」から「税務署」に提出されるために作成される書類です。

決して、フリーランス・副業をしている方が税務署に提出しなければならない書類ではありません。

詳細は、次の記事に書いています。

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