どうしてフェラーリが経費でクルーザーが経費にならなかったのか?

あおい「?」「フェラーリとか何千万円する車も、経費になるの?」
税金対策として、高級車やクルーザーを購入して、経費(減価償却費)にする場合があります。

しかし、そもそも「経費」にしていいの?という疑問があります。

この記事では、過去にあった事例をもとに、「フェラーリは経費として認められたのに、クルーザーが経費にならなかった理由」を見てみます。

そもそも「フェラーリ」の相場は?

私は、フェラーリ自体の相場を知らないので、まずそれを調べるところから始めなければなりませんでした。

例えば、フェラーリ458スパイダーという秒速でいろいろやっていた方が乗っていた車をGoonetで調べてみると、3,000万円くらいするそうです。
フェラーリ
・・・家、建ちますね。

ちなみに、他にも高級車として聞いたことがあるのが、ランボルギーニです。

なんかいろいろ種類があるのですが、その中で1番高かったのがアヴェンタドールで、4,000万円台です。
ランボルギーニ
・・・これだけあったら、田舎で豪邸が建てられるかも。

なお、ランボルギーニ・ヴェネーノとかいう車は、世界に数台しかなくて、約4億円だそうです。

なんじゃそら。

「クルーザー」の相場は?

いろいろ調べてみましたが、数百万円~億だそうです。

庶民としては、もはや理解不能です。

フェラーリとクルーザーの経費性に関する争い

さて、ここからが本題です。

今から20年前に、ある会社が買ったフェラーリとクルーザーが、経費になるかどうか、という争いがありました。

税務調査で納得いかない場合は、いきなり裁判所に行くのではなく、原則として、「国税不服審判所」という役所で争われます。

その中で、平成7年10月12日に、

フェラーリは経費になる一方、

クルーザーは経費にならなかった事例

があります。

もともと、消費者金融の会社での話で、フェラーリとクルーザーを会社で買っていて、それが税務調査で社長の個人的なものであって、会社の経費はならない、という指摘でした。

その内容は「非公開」なのですが、こちらのサイトであらすじが書いてあったので、引用します。

消費者金融業を営む同族会社A社は、取引先の上層部への接待や従業員の福利厚生のための船舶(プレジャーボート)と、役員の通勤及び出張時の交通手段であるフェラーリを、会社の資産として取得し、減価償却していた。

これに対し課税庁は、これらは代表者の個人的趣味により取得したものであり事業の用に供しているとは認められないとして同族会社の行為計算否認の規定により、取得価額を役員賞与と認定したうえ、減価償却費を損金の額から減算した。

役員賞与とされると、

  1. 法人税では永久に経費にならない(損金不算入)
  2. 消費税は課税仕入れとして控除できない
  3. 社長個人の源泉徴収漏れ

というトリプルパンチで、1番痛いやつです。

当然、会社としては「そんなの納得いかない!」と国税不服審判所で争われた結果、次の理由で、明暗が分かれました。

クルーザーが経費にならなかった理由

(1)船舶について
船舶については、燃料を給油した事実は認められるが、船舶利用規定の定めもなく、誰をどのような目的で乗船させ運航したかの説明はないので、事業の用に供したかどうかを確認することができない。

役員個人が負担すべき船舶の維持費などの支出をA社に転嫁したことになり、利潤を追求することを目的とする経済人の行為として不合理・不自然であると認められる。

クルーザーの場合は、経費にするなら「従業員の福利厚生目的で使う」にする、というのが1つの説明方法です。

そのため、従業員なら誰でも使えるという利用規定を整備したり、実際に従業員が利用したという運航実績があれば、経費にする余地はあったでしょう。

しかし、この事例では、クルーザーをどう使ったのかわからない、といことで、クルーザーは社長が個人的に使っていたとみられて、ダメでした。

フェラーリが経費になった理由

(2)フェラーリについて
A社は、他の役員用の乗用車としてロールスロイスとベンツを所有しており、これらの車は、使用する役員自身が運転し、運転記録は作成していない。

A社の出張旅費規程によると社用車による日帰り出張の場合は旅費は支給しないことになっている。

フェラーリは、社長の通勤及び支店を巡回指導する際の交通手段として使用されており、このフェラーリを選定した理由は排気量が大きく堅固であること、遠方の支店に出張する際は安全性もあり、運転が楽であること、中古車として売却する際の価値もあることのほか、社長の個人的趣味もある。

車検記録を調査したところ、3年間に7598km走行しており、社長に対しては交通費及び通勤手当は支給されていない。

フェラーリが、主として使用する社長の個人的趣味によって選定されたものであるとしても、現実にA社の事業の用に使用されていることが推認できる以上は、課税庁の主張を採用することはできない。

フェラーリの方は、いくつかポイントになることが書いてあります。

  • 社長はこの車とは別に外車を2台もっていて、その2台は個人的に使っていて、会社の経費にもしていない
  • 社用車で日帰り出張の場合は旅費を支給していないので、会社にとってはフェラーリを経費にしないと費用がない
  • 社長に対して交通費や通勤手当が支給されていないので、会社にとってはフェラーリを経費にしないと費用がない
  • フェラーリは実際に社長の通勤・支店の巡回で使用されている

個人的には、社長が他にプライベートで使う車を持っていて、フェラーリはプライベートで使ってないと使い分けを主張しやすかったことが大事だと考えています。

金額は全然違いますが、スマートフォンも、1台は完全事業用でもう1台はプライベート用と2台持ちで使い分けをすることで、1台分をまるまる経費にするというのと、理屈は近いと思います。

フェラーリだから、クルーザーだから、ではない!!

今回の1番大事なところですが、

フェラーリ=経費になる

クルーザー=経費にならない

・・・というわけではないですよね。

大丈夫でしょうか?

ここを間違えるととんでもないことになります。

フェラーリ
⇒経費になることを客観的に証明した

クルーザー
⇒経費になることを客観的に証明できなかった

ということです。

クルーザーも全従業員が公平に使えるように利用規程なんかを整備して、実際に利用実績もあれば、

クルーザー
⇒経費になることを客観的に証明した

という結末も、ありえます。

逆にフェラーリも、全く事業で使っていなければ、経費にすることはできないでしょう。

5年前に、ある会社で高級車を複数買っていたものの、個人で使用していた(おそらく会社で利用していたと客観的に証明できなかった)ために、国税局から税務調査を受けて約1億7000万円の所得隠しを指摘された事例もあります。

その高級車は、本当に事業に使っているの?

結局、

事業に使っているもの=経費

です。

フェラーリだから、

ランボルギーニだから、

レクサスだから、

マセラティだから、

BMWだから、

カイエンだから・・・、

車種や金額の多い少ないによって良いとか悪いとかではなくて、実際に「事業」に使っているかどうかを客観的に証明できるかどうかは、最低限、必要な話です。

プライベートで使っているのに、事業で使っているように見せかけるのは、不正行為=脱税です。

「高級車」は、税務署に目をつけられやすい。

最後になりましたが、高級車で、さらにスポーツタイプであれば、なんでそんなのに乗るんですか?というツッコミを、税務調査で受ける可能性は、常に高いと思っておいた方がいいでしょう。

その時に、どんな言い訳(良いワケ)が言えるかどうかです。

今回は会社の例でしたが、個人事業者であっても、お医者さんなんかだと、よく高級車に乗っている人がいます。

では、お医者さんは、「事業」でその高級車を何に使うのでしょうか?

高級車で往診や訪問診察(患者さんの家に行って診察をすること)?

う~ん。

高級車になればなるほど、理由をつけるのがどんどん苦しくなっていきます。

決して、高級車が経費にならないとは言いませんが、リスクは常にあるという点、ご注意ください。

そういえば、漫画家さんがスポーツカーの漫画を書くために、高級車を経費にしてましたね・・・。

外部記事|Yahoo!知恵袋
高額車等(ランボルギーニ)税務に詳しい方に

Yahoo!知恵袋における税金分野の回答は、正直なところ、税理士ではない人も答えていて、間違っているものが多いのですが、この質問に対しては、今回の国税不服審判所の事例を引用して税理士が回答しています。
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