報酬の支払調書がなくても確定申告はできる!

「『報酬の支払調書』がないと確定申告ってできないの?」

【結論】
なくてもできます。

税務署に確定申告書を一緒に提出する必要もありません。

「フリーランス・個人事業主の支払調書」と言えば?

「報酬、料金契約金及び賞金の支払調書」というものがあります(簡単に「報酬の支払調書」といいます)。

※2016年分からマイナンバーの欄が設けられていますが、渡されるものには記載されません(税務署に提出される分だけ)。

例えば、フリーランスでどこかから仕事を受けたとき、売上(=支払金額)から源泉所得税(=源泉徴収税額)を差し引いた金額(つまり手取り)が振り込まれる場合があります。

そして、会社の中には、年明けに、1年分の支払金額と源泉徴収税額のそれぞれの合計額を記載して、この報酬の支払調書を送ってくれるところもあります。

会社員・公務員が給料・賞与に対してもらう「給与所得の源泉徴収票」とは違います。

毎年1月31日までに、会社や個人事業者は、税務署に対して「この人の収入はこれだけあって、これだけ源泉徴収しました」という情報を提供します。

従業員に対する給与の情報なら「給与所得の源泉徴収票」、フリーランス・個人事業主に対する報酬の情報なら「報酬の支払調書」というわけです。

なお、報酬の支払調書は同じ人に年間合計5万円を超えて支払ったら出してね、なので、ちょっとした仕事をすれば、超えるかと思います。

アフィリエイターも報酬の支払調書をもらうの?

これはとても微妙な話なのですが、アフィリエイターの場合は、ほとんどもらいません。

ASPでそういう調書を作ることはまずありません。

こちらは、後半で説明します。

どれくらい税金が引かれているの?

支払調書が税務署に提出される場合には、ほとんどの場合、源泉徴収がされています。

ふつうは、

支払金額×10.21%=源泉徴収税額

になっています。

報酬の支払調書がもらえないなんておかしい?

フリーでいろいろなところで仕事をしていると気づくのが、この支払調書というのは、

もらえるところもあれば、

もらえないところもある、

ということです。

「給与所得の源泉徴収票」であれば、たいていのところではもらえます。

仮に2か所以上で働いていても、もらえない!なんてことで悩むことはありません。

もらえないとおかしいのです。

(ときどき、もらえないという人がいますが、そこはたぶん、ブラック企業・・・いや、なんでもありません)

一方、「報酬の支払調書」については、対応がバラバラです。

そのため、年明けにもらえないと、会社や個人事業者に対して「報酬の支払調書を発行してください」とお願いする人もいることでしょう。

実は、報酬の支払調書は、本人に渡す義務もなければ、確定申告書に添付して提出する必要すらありません。

それどころか、あなたの手元に届く頃(つまり確定申告より前)には、税務署に届いている書類なのです。

税務署

「支払調書」と「源泉徴収票」の違いは?

「報酬の支払調書」の根拠である所得税法225条(支払調書及び支払通知書)では、

「(支払調書は、)・・・税務署長に提出しなければならない。」

とあります。

一方、「給与所得の源泉徴収票」の根拠である所得税法226条(源泉徴収票)では、

「(給与所得の源泉徴収票は、)・・・一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。」

とあります。

つまり、支払調書というのは、あくまで「税務署」に提出するためだけに、作成する書類なのです。

会社が支払調書をくれたとしてもそれは義務ではなく、単なる「サービス」です。

一方、会社が給与所得の源泉徴収票をくれる場合は、それは「義務」によるものです。

amazonが支払調書を出さないと宣言した!

amazonは、昔、Amazonアソシエイトプログラムについて支払調書を発行していましたが、2013年に次のようなメッセージとともに、支払調書の提供廃止を宣言しました。

FAQ(よくあるご質問)
(1)支払調書の交付は、支払者の義務ではないのですか?
答: 支払調書の提出について所得税法が義務付けているのは支払者の所轄税務署への提出のみに限られております。アソシエイト・プログラム参加者様への送付は法律上義務づけられておりません。(所得税法第225条)

(2)これまで支払調書を確定申告書に添付していました。今後、送付していただけないとしたら、確定申告書への添付はどのようにしたらよいのですか?
答: 支払調書は、確定申告書の添付書類として所得税法において提出が義務付けられている書類には該当しません。弊社より源泉徴収された金額はアソシエイトセントラルの支払履歴確認ページにてご確認頂けます。(所得税法第120条第3項)

(3)確定申告をしたところ、税務署より支払調書の添付を求められました。交付してもらえますか?
答: 確定申告書に添付が義務付けられている書類は所得税法第120条に列挙されており、支払調書は該当しません

これ以上にないくらい的確な説明です。

・・・ただし、そもそも、Amazonアソシエイツ自体について、源泉徴収をする必要自体があるのか、疑問です。

他のASPなどからすれば、例外的です。

次の記事では、源泉徴収をしている&していないASPをご紹介してますが、しているのは「DMMアフィリエイト」くらいです。

関連記事 アフィリエイト収入はマイナンバーで会社や税務署にバレますか?

【2017年1月17日:追記】

2017年に入って、いきなりamazonの代理でマイナンバーを集めるというメールが来て、マイナンバー詐欺か!?という情報が回りましたが、これも支払調書を出しているから起こったことです。

マイナンバー制度がはじまるとさらに「もらえなくなる」かも。

マイナンバー制度が始まることをきっかけにして、支払元では手間を省くために、「報酬の支払調書」の送付をやめるケースが今後想定されます。

まあ、だいたいの会社なら、お願いすれば、断らずに支払調書を発行してくれるかもしれませんが、法律的に言えば、これは単なるボランティアで、何の義務もありません(人によっては迷惑がるでしょう)。

注意!支払調書の金額が正しいとは限らない!

支払調書があれば、売上と源泉所得税を集計するのに役立つ・・・といいたいところですが、残念ながら、このもらった報酬の支払調書自体が必ずしも正しいとは限りません

そのため、例えばある会社から報酬の支払調書が来たとしても、あくまで自分で計算したその会社に対する売上の合計が正しいかの確認に使うのはいいと思いますが、その金額自体をうのみにしてはいけません。

必ず、

そもそもこの書類に書かれている支払金額や源泉徴収税額が正しいかどうか

を確認しましょう。

なぜ確定申告で「支払調書が不要」かと言えば、先ほどの1つ目の理由(既に支払側から提出済み)の他に、2つ目の理由として、フリーランスは何らかの「帳簿」をつけてちゃんと売上を把握しているだろう、という前提があるからですね。

つまり、自分がつけている帳簿がちゃんと合っているのかを確認するために、支払調書が「参考」になるということです。

間違えてはいけないのですが、

・報酬等の支払調書がある

⇒売上になる

のではなくて、

・帳簿で売上・源泉所得税を管理

⇒報酬の支払調書で裏を取る

程度の位置づけなのです。

そのため、あくまでも、支払調書なんてもらわない前提で、きちんと売上と源泉所得税の管理をしましょう、ということです。

私の場合は、MFクラウド確定申告という会計ソフトを使っています。無料で試してみて、気に入ったら有料に切り替えればいいでしょうし、使い勝手が悪いなと思ったらやめることもできます。

税務署からつけてほしいと言われた!

さっきのamazonの質問にもありましたが、う~ん・・・それはおかしいです。

「提出義務者」を間違えています。

報酬の支払調書の提出義務者は、あくまでも、「その報酬を支払う会社や個人事業者(支払側)」です。

なぜなら、支払調書は税務署に直接会社などから提出されているものであって、「報酬をもらう人」から集めるものではないからです。2017

まあ、都市伝説の可能性もありますけどね、これは。

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